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釣り-自称霊感女愛美-

転載元:【DQN】自称霊感女スレ【あんた見えてねーよw】


大学一年の冬。僕はこの季節の釣りが好きで、一人でもよく海に行った。
主にルアーフィッシングをする僕は、スズキ(シーバス)を釣っては竜也に自慢していた。

「マジか?!そんなにデカいの釣れる場所あんの?ってか、連れてけよ!」

「いいけど、誰にも言うなよ?場所知られたくないし。」

「任しとけって!」

釣りの話をしていると、どっちが大きいのを釣るか勝負になり、その日の晩飯をかけて釣る事になった。

夕方、アパートの前で竜也の到着を待っていた。遅すぎる。竜也に電話した。

ープルルルル、
「もしもし!竜也遅い!」

「もしもし?マーチン?私聞いてないけど!」

「えっ?由貴?何で?これ竜也の携帯?」

「もう着くから話はその後でね。じゃ。」

プーップーッ

全て終わったような気がした。
僕は本気で釣りをする時は何時間でも粘る。由貴を誘うと自由に動けず、長時間釣りが出来ないから黙って釣りに行っていた。
「どうしよ?」と、うろたえていたら五分もしないうちにクラクションが聞こえた。

ドキドキしながら車に近づくと、助手席の窓が開いた。
助手席に由貴、運転手の竜也は手を合わせてゴメンとジェスチャーしていた。
不機嫌そうな顔で由貴が、
「黙って行くのって酷くない?」

「ごめんなさい」

「じゃあ、私に釣り方教えてくれたら許してあげる。」

「よろこんで!」

ホッとしながら後部座席のドアを開けた。

「えぇっ?!何で??」
思わず声が出た。
笑顔の愛美がいた。

「いやぁ、来る前にコンビニ寄ったんだよ。そしたら女の子が五、六人でいてさぁ、その中に由貴ちゃんと愛美がいたって訳よ。」

(いたって訳じゃねぇよ!しかも由貴もいつの間に愛美と?)
帰れとも言えず、仕方なく四人で行った。

釣り場に着き、僕は由貴に竿を渡し一通り説明して自分の竿を準備した。
釣り場は低い防波堤で、大きいUの字になっている。所々に結構明るい電灯が四つ、五つ並んでいる場所だ。

僕と由貴、竜也と愛美のチームに分かれて午後七時過ぎ、試合開始。(賭けは僕と竜也だけ)
開始早々、愛美にhit。
キャーキャー言いながらはしゃいでいた。
竜也と僕がサイズを測っていると由貴にhit。
竿のしなり具合的に大物か?と、思いタモ網ですくい上げると70cm弱の良い型。

「こりゃあ、お持ち帰りだな。帰ってから食うか。」
由貴は「刺身♪刺身♪」と上機嫌でまた釣りだした。

二時間経過、ビギナーズラックというのか、僕と竜也は釣れてなかった。由貴と愛美は二人で小ぶりながらも10本は釣っていた。
今日はダメだ。最後に一回投げて終わりにしようとした。
すると沖の方で、
「ドッパァンッ」
と大きい音がした。すでに釣りをやめていた由貴と愛美もその音に気付き、僕は目一杯その音の方へ投げた。
竜也も投げていた。

「きたぁっ!」

竜也の竿が根元からしなった。
空振りの僕を由貴と愛美が笑った。
竿を片付け竜也の所へ走った。四人共、大物の気配に興奮気味だった。

15分ぐらい格闘して、やっと足元に寄ってきた。見てみると軽く1mはあった。高ぶるテンションを抑えつつタモ網を二つ用意し、頭と尾からすくい上げようとした瞬間、最後の悪あがきなのかスズキが潜ったように見えた。
すると、竿がさっきと比べものにならない程しなった。
竜也は海に落ち込みそうになりながらも、体制を立て直し竿を立てた。

しかし数秒で急にフッと竿がしならなくなった。
「あれ?おかしい?重いのに軽い。」

竜也は不思議そうにリールを巻いた。
また足元に魚影が見え、スズキが弱ったんだと思い、僕は頭と尾からタモ網をかけ一気に引き上げた。

体のでかさの割に少し軽かった。スズキに電灯の光が当たって、僕は冬の寒さとは違う寒気を感じた。
スズキの体は何かに食いちぎられたように所々無くなっていた。
パンをかじった時のように弧の字状にきれいに。

言葉が無かった。
あまりの異様さに無言になっていると、

「へぇ、海にもピラニアみたいなのいるんだ。」
愛美がツンツン突っつきながら言った。
そう思いたかったが、明らかに違った。食いちぎられていない場所には、僕より少し小さい歯形が付いていたから。
由貴も竜也もそれに気付き、早く海に捨てようと言った。
道具先に片付け、後は捨てるだけになった。防波堤の上のスズキを、竜也と僕で二人で(軍手をして)海に投げた。

海に落ちたスズキは浮かんだまま沖へ少しずつ流されていった。

「大物なのに勿体ねぇな。でも、あれじゃあな。」
竜也が心なしか、悔しそうにスズキを見ていた。スズキが暗い海に消えかかった時、バシャバシャとスズキの近くで何かが跳ねた。

「小魚?スズキがいる所ぐらいだよな?」

「ん~、暗いからよく分からん。ん?…あれ、小魚か?」

目を凝らした。
僕は車に飛び乗った。竜也も急いで車に乗り込み、車を走らせた。

「何があったの?何見たの?」
由貴はしきりに僕に聞いてきたけど、気が動転して上手く言えなかった。
愛美も普通じゃない雰囲気に何かを感じていたのか、黙ったままだった。

海から離れ、民家が見える自動販売機の前に着いた時、何故か助かったと思った。
落ち着こうとみんなが車から降り、一息ついたところで僕達が見たものを言った。

スズキを捨てた時、何かが群がってきた。小魚かな?と思ったけど違った。髪がまだらに生えた頭の大きい小人だった。歯形や食いちぎったのもあいつらだろう、と。

「餓鬼の一種じゃないかと思うんだけどなぁ。とにかく怖すぎるよ。あそこはもう行きたくないね。」
と僕が言うと愛美は、
「えぇ~、いっぱい釣れたし面白かったじゃん!雅樹らが見たのは気のせいだよ!また行こうよ。ねっ?由貴も楽しかったよね?」

「バカじゃないの?愛美分かんないの?」
と、由貴は愛美に言うとクーラーボックスをトランクから取り出し開けた。
愛美は魚を見て「ヒッ」と声を出した。
中には、型の良いスズキの腹と頭が食いちぎられていた。

「トランクでゴトゴト音が聞こえてたから、多分そうじゃないかと思ったの。魚があって良かったね。もし無かったら危なかったかも。でも…。」

由貴はそう言うとスズキの尾を掴み、道端に投げ、

「私の刺身返せぇぇ!」
緊張の糸が切れたような感覚がした。自然と笑いが起きた。
「何笑ってんの!今日はマーチンの奢りでお寿司だからね!」

「そぉいや、釣れなかったの雅樹だけだもんな!」

「えぇ?!…分かりました。」


後であの場所について調べてみたが、死亡事故も水死体が上がった事も無かった。何故あそこにアイツらがいたのかは分からずじまいだった。
ただ、今でもあそこには何かがいるような気がしてならない。
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