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深夜の暗い道中

転載元:実話恐怖体験談 拾段目


その日の深夜零時すぎ、俺は残業を終えて会社を出ると車に乗って帰宅に向かった。

終電も過ぎて静まりかえった線路沿い、山の近くで街からは離れていて、民家は少なく街灯も僅かしかない。

木々に囲まれた道はヘッドライトの照らす範囲以外はほぼ真っ暗で、こんなところを1人で運転していることが少し怖かった。その町はいわく付きで有名だった為余計に。

携帯電話で彼女と喋りながら気を紛らわせていたんだが、途中から時折電波が悪くなった。

「もしもし?聞こえるか?」

暗い道中彼女の声が途切れると、車の機械音と周りの小石をタイヤがぱりぱりと踏み散らす音だけが寂しく響いて急に不気味さが増す。後部座席に何かいそうで怖い。
電波が入って彼女の声が戻ると深く安堵した。

家まではまだまだ遠く、その暗い道は続く。

…と、また電波が途切れた。

「もしもし?聞こえるか?」

と俺が再び呼びかけると

「おおぉ○※〓%●ぁあぁ£#☆▲あぁああ□♂@〒**▼!!!!」

中年ぽい男の不明瞭な怒鳴り声が耳をつんざいた

俺は驚きと恐怖で携帯を取り落とした。

今のはなんだ…!?

冷静になって携帯を恐る恐る耳に当てると

「もしもし…?大丈夫?」彼女の声が聞こえてほっとした

心臓はまだドキドキ鳴っている。

「お前、今のなんだ?」

「今の…って?」

「なんか今…電波切れたと思ったらオッサンの怒鳴り声みたいなの聞こえた。お前聞こえなかった?」

「う…ん聞こえた」


「乗せろって言ってた」


…血の気が引いた。
「おま…やめろって。勘弁して」


その日はとにかく急いで家に帰り、それ以来夜中にそこを通ることはなく、今は別の仕事に就いたので声の正体はわからずじまい。

その時の彼女とはもう別れたんですが、その子は少し霊感があったらしく、かなりはっきりと聞こえたらしいです。

あんな怖い思いをしたのは初めてでしばらくは夢にも見ました。
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