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帰宅中の山道

転載元:実話恐怖体験談 拾段目


うちのカーチャンと弟殿は
体質が似ているのか何かと不可思議な体験をするのだが(自分は数えるくらい)
昔カーチャンと弟、父と自分が揃っている状態で起こったお話。


我が家は自営なのだが
職業柄、年末は31日まで親は仕事をしていまして
その年は特に忙しく、大晦日にも関わらず夜11時頃の帰宅になった。

さて飯という話になったのだが、作るには時間が遅すぎるので
取り敢えず今夜はラーメンでも食うかという事に。

田舎で道が少ないので、除夜の鐘目当てや夜遊びな若者の多い大通りを避けると
必然的に山道を走る事になるわけで。

左右両側に桜の木が生えていて、夜は鬱蒼としている感じ。
トトロの「木が避けてる!」をリアルで体感できよる。
無事ラーメンを食し、同じ山道で帰宅中
カーチャンが突然「ちょ、車停めて!」と、大声を出した。
時期が時期だし、時間も遅い。
何より、元々車通りの少ない道なので、とりあえず父は車を停めますた。

カーチャン以外の家族はわけがわからなかったのでポカーンだったのだが
カーチャンが焦った様子で
「今、女の子が居たよ?こんな時間にこんな道で…喧嘩して置いて行かれたとかだったら可哀相だから、ちょっと戻って!」
と、かなり強い口調で言った。

こんな時間に民家も明かりも殆どない田舎山道に女の子…
あまりにも「無いだろw」という状況に皆半信半疑だったが
カーチャンは本気で心配な様子なので、父はバックで戻ってみた。(狭すぎてUターンできず)

暗いのもあって、皆脇の草村に目を凝らすものの、カーチャンの言う
「女の子」
は、ちっとも見つからない。

だが、カーチャンだけは一点を見つめ
「ホラ、居たじゃん。あそこ、白いノースリーブのワンピース…」と。
弟殿だけが「あ、ほんとだー」と反応。
近づけば解るかな?声かけてみるかー、と父が車を降りようとした時

カーチャン「どーして」
父・自分・弟殿「は?」
カーチャン「どーしてこの時期に、ノースリーブなの…?」

一瞬、車内の空気が凍った。
今は12月の終わり。朝には水溜まりに氷が張っている。

なんか、ノースリーブという言葉を飲み込んで理解するのに
全員物凄く時間がかかった気がする。

カーチャン「どうしてあそこに立っていられるの…?」
父・自分「え?」
カーチャン「あっこんとこ、草村のとこ、地面無いのよ。崖になってる。」

また空気が凍った。
事態がうまく飲み込めなくて、全員が固まってた。
カーチャンと弟殿には見えて、父と自分には見えない
「女の子」
ただただ静かになってしまった車内で、突然カーチャンが大声を出した。

「車!車出して!は、早く!!」

父はビクッとしたものの、物凄いスピードで車を飛ばし出した。
自分は怖くて頭を抱えて下を向いていたが
突然弟殿がおかしな声を出した。「ひうっ、きいっ、ひいっ」みたいな。
うまく声が出せない感じだった。

弟殿の変化に気付いて後ろを振り返ったカーチャンがまた叫んだ。
「おっ、追っかけてくる…!もっとスピード出して!!早く!!」

その状況に既に失禁しそうな自分は、ひたすら弟殿を抱いて丸くなり
父は必死に車を飛ばし、カーチャンは小声で「早く…早くぅ」って呟いてた。

この辺りからあまりはっきり覚えていないが、無事自宅に到着した時は
真剣に神様に感謝したよ。

後日、とても現場に戻る気にはなれず
色んな人に聞いてみた。
わかったのは

・あの草村は地面よりも先まで草が伸びているので
奥まで行けるように見えるが、実際は崖になっている
・5年くらい前に若い女の子が事故で亡くなっている(さすがに服装まではわからなかった。)
・女の子の霊が出るという噂がある

ということくらい。
今は自分で車を運転できるけど
大通りが渋滞していても、あの山道はどうしても走れない。
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